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「 英国の手彩色銅版画 」

酒田伸雄(日本富貴蘭会常任理事・東京都)

Carol

“Curti‘s s Botanical magazine or Fiower-garden”。1819年に英国のロンドンで発行された手彩色銅版画。フウランが描かれている。

先日、年配の愛好家の先輩から譲って頂いたボタニカルアート。この方は学者肌の植物愛好家で、特に古典園芸に関する知識が凄い。時間が有れば各地で開かれる交換会に顔を出している。また古書店巡りもお好きなようで、なかなか手に入らないような風蘭の古書をさらっと探して来たりする。このボタニカルアートもそのようにして探してきた物らしい。1819年に英国のロンドンで発行された手彩色銅版画でいわゆるフウランが描かれている。

山採りの個体か温室の栽培品かは判別出来ないが、まさしく風蘭である。開花の状態を描いており、非常に緻密なタッチで正確に描かれているのは圧巻である。およそ200年前の英国で、はるか彼方の極東に生息する東洋の蘭に思いを寄せる人々がいたなんてロマンチックなストーリーではないだろうか。