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富貴蘭愛好家の皆様へ

Message  to  Fūkiran  Lovers

「自粛期間も実りある時間に」

清水秀樹(日本富貴蘭会会長)

今年は年明けより新型コロナウイルス感染拡大の為、第71回日本富貴蘭会美術品評全国大会及び東京フウラン展など、すべてのイベントが中止と相成りました。会員の皆様は蘭友との交流の楽しみを失い、寂しい思いをされている事と思います。

私事で言えば、外出する事もなくなり、蘭舎に向かう時間が一層増え、植え替えに熱を入れました。いつもは手が回らず半分程度しか出来ないのですが、今年はほぼ全ての鉢を植え替えました。普段忘れがちな初級品種や普及品種も改めて良い所を再確認する事が出来、初心に帰って育てる愉しさ、大切さを感じました。

富貴蘭は多くの品種をコレクションする事も楽しみの一つですが、自分の愛培する蘭と過ごす時間を大事にする事が何よりも大切です。この一年を自粛期間とマイナスに考えず、皆が自分の棚の蘭とじっくり向き合い、作を上げる為の時間と考えてほしいと思います。新型コロナウイルスの感染が収束し、晴れて皆が集う時には、今まで以上に立派に育った美術株が展示会に並び、沢山の笑顔が溢れる事を願っております。

「一歩でも前へ」

笠原 茂(日本富貴蘭会理事長)

皆様いかがお過ごしですか?  コロナの影響で第71回の日本富貴蘭会の全国大会が中止となりました。しかも私の地元浜松で準備をしている時に残念であります。2月の東京ドーム世界蘭展も天皇皇后両陛下においで頂き、令和2年も素晴らしいスタートを切ったと喜んでいました。実際は出店者にも当日まで知らされておらず、警備の関係で開会が遅れたほどでした。幸い無事終了することができましたが、期間中コロナ騒ぎが本格化して、後半は入場者半減となり赤字を余儀なくされました。しかし開催中止となればゼロになるわけで、後から考えれば良かったという事になりました。世界の蘭の立場から言えば、3月は蘭業界のオリンピックに相当する世界蘭会議が3月初めから台湾で行われる予定でした。3年前は南アフリカで開催されました。洋ランの業者が風蘭を紹介してくれたのか、その頃からブラジルとか南半球でも風蘭の話を聞くようになりました。日本のお隣であり、しかも親日国である台湾にはぜひ参加したいと申し込みをしました。荷物も送って飛行機も予約をして、コロナの状況を見ながらどうなるのか見守っていましたが、結果中止となりました。また輸入の手続きをして日本に戻すのは難しいので、台湾の蘭園まで行って、植えて預かってもらうことにしました。従業員もコロナの影響で危険なので妻だけ連れて、送った風蘭の植え替えをしてきました。空港で体温を測られ、いろいろ質問を受けてようやく入国できました。ホテルでも受付で体温を測られて、食事から帰ってきてもまた体温を測られました。いきなり来ておでこにピッとやるので、ムカッと来て「さっき測っただろう」と言いましたが日本語が通じませんでした。おかげさまで、植え替えも早く終わったので、故宮博物館などを見物して妻孝行をして帰ってきました。故宮博物館もガラガラ、行きも帰りの飛行機もガラガラ、空港もガラガラでした。この時点で航空会社、旅行会社は一ヶ月持つだろうかと思いました。

コロナも自然の産物と言えばそうです。最近の集中豪雨、暖冬など人類の危機さえ感じる現象ですが、コロナの自粛により空気がきれいになったという話。この機会に家の片付けができた方も多かったと思います。自然が風蘭を育て成長させるように、絶滅しかかっている人類を必死に守ろうとしている自然の作用と考え、人間の考え方を根本から見直す時期なのではないでしょうか?

生意気なことを申し上げましたが、人生も残り少なくなり、富貴蘭も後世に伝えるべく、また地球の自然も後世に伝えるべく、皆さんとともに一歩でも前に進めたらと考えます。どうか体をご自愛くださり、お元気でお過ごしください。また風蘭の大会でお会いしましょう。