Message to Fūkiran Lovers
清水秀樹(日本富貴蘭会会長)
新型コロナウイルスの感染拡大により、昨年に続き本年も全国大会や東京フウラン展などの日本富貴蘭会主催のイベントが全て中止となってしまいました。
全国大会は蘭友どうしの交流を深め、蘭談義に花を咲かせ、作を競い、名品を鑑賞出来る唯一の場であり、皆様が心待ちにしている事と思いますが、会員の方々の健康と安全を考えると中止をせざるをえません。富貴蘭を守り育て、後世に伝承して行く事は先人の方々から私達に託された使命です。今は日々の水遣りや手入れを怠らずに愛培品の成長を楽しんでゆきましょう。
やがてこの事態が収まり、皆で集まれる日々が戻ってくると思います。その時はさらにレベルアップした美術株が数多く並び、皆様の笑顔にお会い出来る事を心待ちにしております。
笠原 茂(日本富貴蘭会理事長)
会員の皆様、いかがおすごしですか?
ワクチンの接種が進む中、安心できると思っていましたが、また緊急事態宣言が出て、先が見えない状況で残念であります。8月に役員会を開催する予定でしたがそれも中止。9月に変更しましたが、これも先の見えないという、やりにくい状況で、会員さんからも「来年の大会はどうなっているか」と問い合わせを頂いています。申し訳ない状況ですが、会報には間に合わせたいと思っています。オリンピックも開催され、日本選手の頑張りに元気をいただいていると思います。反対の激しい中、よく開催までこぎつけたと、その苦労と努力を察すると共に、感謝と敬意を払わざるをえません。
昨年も役員会が開けない中、報告やアンケートを取って役員との連絡を取りましたが、リモートやビデオ会議に慣れていない年配の方が多く、十分な意思疎通ができないのは、これからの課題でもあると思っています。今年の5月に富貴蘭展示会及び即売会の単独開催を決意しました。私としては皆さんで少しでも楽しめる場所を提供するつもりで、また新しい簡素化した大会の見本を検証したくて強行しました。急にコロナの拡大もあり、スタッフも中止をしたほうが……妻も止めたほうがという意見で、身近なスタッフがそういう意見で、絶望的な状況でした。一番堪えるのは身内が反対することです。アルバイトを探してでもやるぞと決意して、突き進みました。結果、今まで経験したことのない、閑古鳥大会となりました。1日目は400人入る会場にスタッフを入れて20名を切る状況でした。2日目は会長も来てくれましたが、閑古鳥大会に終わりました。毎月30人ほど来てくれる地元の会の方も、県外の会員の方が来るのではということで、コロナを警戒して、誰も来ませんでした。当然の結果ではありますが、覚悟の上の開催なので、いろいろ検証することができ、次回の大会の参考になったと思います。
全国大会を浜松で開催しますと発表した時、静岡富貴蘭会では聞いていない、役員会で承認してからにすべきとか、俺は協力しないとか、そんな話も出て、日本富貴蘭会で決定したことだから、戻せる状態でもなく、協力してくれる有志で実行委員会を作り、開催することになりました。日本富貴蘭会もそうですが、団体で事を進めるにはいろいろな意見があり、難しいことだと思います。各支部も同じことで、全国大会の地方開催ができにくいのも、同じようなことがあるのだと思います。
いずれにしても、富貴蘭の楽しみを増幅するきっかけは富貴蘭大会です。全国大会は富貴蘭の将来を方向づける重要な機会です。毎年、地元の皆さんが協力して楽しいお祭りを開催する。そんな大会を続けることができたら、富貴蘭も長く楽しめると思っています。世界に広がりつつある富貴蘭を日本富貴蘭会が最大限の力を発揮してアピールしなければ、海外の人も嫌気が差すと思います。現に海外から次回の大会はいつなのかと問い合わせもあり、正念場のこの時期、協力して進めてまいりましょう。